2011年9月25日日曜日

演出論的覚書:Ⅲ章2節8款:画面効果演出の普及

  (8)画面効果演出の普及

  これらの他にも、様々な視覚的演出がAVGの中で実行されている。とりわけ、漫画的にデフォルメされた記号的エフェクトを補助的に表示する例は、すでに多数に及ぶ(――焦燥を示す「落汗」、驚きの際の感嘆符や「Σ」型マーク、何かを発見した時の「瞳の輝き」など)。デフォルメCGをカットイン的に挿入して場景描写にコミカルな表情づけをする手法も、かなり普及してきた。クエイク(画面振動)やフラッシュ(画面白光)といった伝統的な演出もあたりまえに行われている。映像分野でいう視覚効果(VFX)に相当するエフェクト表現も、AVG表現の中に深く浸透している。いずれも、さほど大きくないコストで明快な視覚的効果を挙げうるため、テキスト主体のAVGにこれらの技法を取り込む作品は今後とも数多く現れると思われる。




  【追記コメント】
  特に言うことは無い。映画、アニメ、漫画と様々な分野から様々な特殊効果表現が自由に輸入され、そしてAVG表現のごくノーマルな一部として通用するようになってきている。

  余談の域になるが、キャラクター背後のきらめきエフェクトなどのVFXのことをキャラメルBOXでは「エモーションノベルシステム」と呼称している(――『処女はお姉さまに恋してる』『終末少女幻想アリスマチック』[2006年]のパッケージを参照)。

0 件のコメント:

コメントを投稿