2011年9月25日(日)
覚書記事のいくつかの章節を再掲してみたけど、これでは見づらいかも。いや、ただ単に全体が(レイアウトのせいで一般的に)見づらいというのではなくて、このブログ上でのテキスト再検討という趣旨に沿っていないという意味で。メインの記事だけでもわりと長く(ということに気づいた)てスクロールを必要とするので、それに対するコメントをその下に書き綴っても双方を丁寧に読み比べるということが難しいし、長大なコメントを書いてしまうとさらに紙面が混雑する。書いた私自身でもそうなのだから、私以外の読み手には尚更読みにくいだろう。……やり方を間違えたかなあ。
ところで、このブログはしばらくは誰にも見つからずにやっていくつもりなので、……下手にリンクをクリックできないw ひととおり体裁を整えてサイト側から告知するより前に誰かに見つかってしまうとしたらあの方かあの方にだろうという予想はできるが。
2011年9月26日(月)
うーん。ひとまとまりのテキストの中の一部だからこそまだしも許容されていた(ように思われた)個々の項目の記述の散らかりよう――とりわけ「立ち絵振り付け」「動画利用」などの項目の下で部分的にそれに即さないブランド論などの記述へ脱線してしまっている箇所――が、こうして項目ごとにページを分けて個別に読まれるようにするとその夾雑物ぶりが目立ってしまう。こうして個別項目ごとの記事にするなら、もうむしろいっそサイトとは完全別個新規のテキストとして一から書き直してしまう方がよいかもしれないと思えてきた。今念頭に置いているのは、具体的には(できるならば大項目式の)事典スタイルで形式的に分離された項目ごとにそれに関して概説するというもの。その方が見通しと趣旨がすっきりするだろう。……そのアプローチは一見魅力的だけど、ただししかしながら、そこまでするのなら中途半端に「演出技術」の次元でそれらを観察し測量するよりもスクリプトなどのきちんとした&具体的な&実用上の実地技術に即したかたちで――つまりもっと地に足のついた体系的な「技術書」として――取り扱われるのがふさわしいだろうし、そしてそれゆえそれはもはや私のような素人が着手すべき仕事ではないように思われる、という問題がある。どなたかクリエイターサイドの人が『AVG演出教本』『AVGの原則』みたいな感じのを執筆出版してくれないものか。スクリプトの書き方についての技術書やゲームシナリオの書き方についての指南本――後者の中にもスクリプト演出等に一節を割いている本もあるけどたいていは「魅力的なキャラクターの作り方」とか「(システム設計と絡ませていない一般論レベルの)脚本構成ノウハウ話」ばかりだ(※)――はすでにいくつかあるけど、いわばその間にあるもの――双方を架橋し統合するもの――がまだ無いように見受けられる。
(※とはいえ、それらの多くがタイトルを「ノベルゲームの」――つまり読み物的特性に強く傾斜するスタイルのAVG(のみ)についての――脚本技法と銘打っている以上、それはそれで看板に偽りは無く、形式上は別部門と呼ばれうる演出スクリプトの局面にほとんど紙幅を割かれていないこともそれ自体としては不当ではない[そして同様にスクリプト指南本の側でも、個々の演出をもたらすことになる操作の記述の仕方については解説されているがその用い方についてはもちろん触れられていない:例えば、フラグ操作をスクリプトする仕方は書かれていても、フラグ管理の仕方についてはほとんど沈黙されている]し、そしてそのことを対象範囲をあらかじめ明確に限定しているのだととるべきかそれとも視野の狭さと見るべきかは必ずしも自明ではない。いずれにせよ、そうしたアプローチが射程の短さを露呈しつつあるという診断を下される可能性を免れはしないが。)
2011年9月27日(火)
最近は、新作/旧作を問わずで週1本くらいのペースでゲームを進めている。購入ペース、手持ちの未プレイ作品、作品の優先度などからして旧作をプレイすることの方が多いのだけど、それでもフルプライス1本をコンプするには時間が掛かるもので。『パティシエなにゃんこ』をようやくプレイして狂喜したり、未プレイだった初期Liar-soft作品のいくつかに手を出してみたり、トールケースタイトルを低価格作品と思ってプレイ開始してみたら実はフルプライス作品の廉価版でコンプリートまでのプレイ計画が大幅に遅延してしまったり(面白かったから不満は無いが)と、わりと忙しく、そしてかなりの収穫がある。
2011年10月1日(土) 【将来のAVGの形態について】
もう遠くないうちに読み物AVGはユーザーによる数万、数十万回のクリックを要求する原始的な仕様から決定的に離脱していくのではなかろうか。クリックし進行という形式がAVGにとって歴史的にどのような由来と関わり構造的にどのような必然性があり様式的にどのような特質を示していたのかの検討はまた別になされる価値があるとしても――ちなみにそのような「必然性」など元々存在しないと思うが――、今後スクリプト演出の密度が一定以上に達してユーザー側の「待機時間」――だと見做されてきたもの――が単なる機械的な「遊び(ゆとり)部分」に終わらずその表現上の固有の時間的推移のために利用されるようになったとき、それと対応するクリック要素もまた変質の可能性に晒されるだろう。そしてもちろんそのことは、AVGに対するユーザーすなわちプレイヤーの地位及び権限のありようにも関わってくる。
昔のAVG作品――といってもここではせいぜい5年前、8年前のものを念頭に置いているが――をプレイしていて最も大きな障害になるのは、絵柄の趣味の違いでもなければテキスト量の違いでもなく、おそらくはBGMの音源のチープさでもなく、そして画面演出の乏しさでもない。既読判定の不在、バックログの不在、文字の読みづらさ、選択肢場面でのセーブ不可、セーブスロットの少なさ、等々のUI部分だ(――私以外のゲーマーたちの経験もおそらくそうだろう)。裏を返せば、現在に至るまでAVGはそれだけ優れたかたちに洗練されてきている。
2011年10月2日(日)
いっそ英文で一から書き直してみようかという気分になってきた。ひょっとしたら、このようなAVGの演出技術に興味を持つゲーマー(※制作サイドを除く)の人数は、日本国内よりも国外――とりわけ米国だろう――の方が多いかもしれないくらいだ。……と考えるのは、PCゲームよりも年長の分野であるアニメにおける状況、つまり国内のアニメ受容層及び研究の生産力の乏しさを参照しての思考だが。
2011年10月3日(月)
そういえば、ブランド公式のファンクラブも最近はあまり見なくなったような……。一昔前は、LW、Liar-soft、alicesoft、LeafといくつものブランドがFCを設立していろいろなサービスをしていたものだけど。
2011年10月5日(水)
申し訳ないことに、コメントを直接送れる回路を手放してしまったからなあ……。ひょっとして、の可能性をはかなく期待しつつ、書くだけ書いておこう。 121192533706555393 → 20617354412 しかし待て、ともながさんはけっしてエr…いや、『Canvas』(恋役)と『同窓会』(鮎役)があったか。
twに関して言いますと、止めたあとも何件かフォロー許可リクエストをいただいているのはmail通知で認識しているのですが、「ログインしない(、つまり自分でこのアカウントを利用しない)」ことはあらかじめ宣言していますので、たいへん心苦しいのですがご理解いただきたいところです。すべてのログはtwlgを参照することができますし、そしてそれ以上新たな投稿をすることは(つまり新たな投稿が増えることは)ありませんので、情報を得るためならあまり問題は無いかと思います。とはいえ実際には、あのアカウントをフォローしていなければ他のユーザーさんとの間のリプライ連鎖を第三者が追うことが困難になってしまうという大きな難点は確かにある――私自身、自らのログを読む際にこの点が妨げになっている――のですが。依怙地になっているようで申し訳ないのですが、(真理に関することでならいつでもいくらでも修正や訂正はするつもりですがしかし私個人に関して私自身が公然と述べた決定については)食言はしたくないのです。遡っていえばそもそもやめるなどと言い出したこと自体が誤りなのだまたは生じうる影響に対して配慮が足りなかっただと言うこともできるのでしょうが。
2011年10月9日(日)
そういえば、gglの検索結果に現れるようになっているのか。blggrでは、「アダルトコンテンツ」宣言(※ユーザー設定で任意に変更できる)すれば検索結果に引っ掛からないようになる――そして閲覧者がページを開く前に警告が出るようになる――らしいが。正式には、サイトの次回更新時にこちらへのリンクを貼ってアナウンスする予定で、コメント欄もそれに合わせて開放するつもり。
2011年10月10日(月)
wkpd記事の註釈欄に田中某や那須某の発言が出典(つまり根拠)として――しかも個々の作品の「評価」に関する部分で――記載されているのを見ると、「ああ、彼等をそういう形で基準にしている人たちがいるのね……」と。「bbspinkでは○○だった」という類の記述をわざわざ書き込む人たちに比べればいくぶんマシかもしれないが、せいぜいそれらと比較される程度のものでしかない。
ところで、このblggrのサイト内検索機能(ページ上部のnavbarにある検索窓)がまるで機能していないのはどうしたことだろう。ほんの数個の投稿だけは検索対象としてヒットするのだけど、それ以外の大半の記事が(タイトルも本文もラベルも)検索結果に出てこない。これは私にとって利用上致命的な問題なのだが、原因は何だろうか? 1)これがblggrの基本仕様?――そんなことは無い。他のblggrブログで試してみても、こんな現象は観察されない。2)blggr側の(一時的または恒久的な)不具合?――そうかもしれないが、もしそうなら私には判断できないし、そして私には責任も対処能力も無い。ざっとweb検索してみたら同様の話は出ているようだが。3)再編集を頻繁に行っていることがなんらかの仕方で影響した?――こちらは私自身に責任(あるいは原因)のあることだが、編集による頻繁な改稿を(webアクセスでどこからでも)行えることがblggr利用の目的なので、もしもこのことを原因としてブログ内検索が恒常的に実効しないままであるなら、このblggrは私にとって(そして、いるかどうか現れるかどうか分からない訪問者の方々にとっても)致命的な不便さを持つ屑ブログということになってしまいかねない。しばらく様子見をするけど、問題が解決されないようなら、このブログを早々に――傷が浅いうちに――閉じることも考えねばならない。
とりあえず弥縫策として、一番上の投稿にggl検索のコードを貼り付けておく(――追加ガジェットとして検索ボックスを設置することもできるけど、こちらも不具合ぶりはnavbarと同じでろくに機能してくれない)。それでも不便なままだが。また、投稿編集ページにある検索窓では(さしあたりいくつか試してみたところでは)どうやらまともな検索結果が出てくるので、サイト管理者である私自身にはそちらが利用できる。ただし、上記の経緯からしてあまり信用はできない。
2011年10月11日(火)
古典のプロットに倣った作品はいくつかあるけど、そういえば『青ひげ公』を下敷きにしたタイトルって無いのだろうか。オペラの台本になっているような物語は、総じて低価格AVGの尺にちょうどフィットしそうに思えるが、実際のところどうなんだろうか。まあ、世には『オモイデ教』もどきのタイトルや大審問官のシーンを借用したタイトルなどもあったりするし、その種の翻案の
自分の名字には別段不満も無いけれど、もし叶うなら木村とか青山とか西田とか大波――実在するのか?――とか安玖深とかを名乗ってみたいよね……って、結婚改姓すればいいのか(――イヤなオチだ)。名前の印象がわりと気になってしまう性質なので(※ちなみに大学進学時も名前の印象で、つまり大学名の文字列の造形と色彩感で選んだ。今のところ後悔はしていない)、ゲームキャラクターもあんまりイージーなネーミングはしないでほしいところ。特にゆず。つまらないネタのためにキャラクターイメージを犠牲にする無頓着さには呆れる。なかでも温泉地名字は飽き果てて久しいが、『おまかせ!とらぶる天使』が発売されるまでは我慢してやろう。
2011年10月12日(水)
こうやって各所をちまちま加筆していくスタイルだと、閲覧者にとってはどこに新たなテキストが現れたのか、あるいはどこに変更が加えられたのかを知る手掛かりが提供されないんだね。その意味では、申し訳ないことに、非常に読みにくくつきあいにくいサイトになってしまっている(――ちなみに、wikiのような「編集履歴」のごとき機能も存在しないので、私自身も変更点を外形的に把握する手段は持っていない。投稿時間を再編集することもできるので、本文を再編集する度にそこも書き換えてヴァージョン情報の代用にするというのも思いついたけど、さすがに煩雑すぎて実行する気にはならない)。もとより、たまたま特定の関心からgglなどから訪問したような人が自身の関心に沿った情報を見つけたり見つけなかったりしていってくれればいいのであって、そしてそうした形態以外ではどうせたいして役にも立たないであろうから、この流儀を変えるつもりは無いが。
2011年10月13日(木)
試しにいくつかの記事にゲーム画像のスクリーンショットを貼り付けてみたが、なかなか面倒だということが判った。引用として大量にアップロードする作業も手間だし、それ以前に適切な画像を選び出すのに相当な時間を費やしてしまう。その一因として、SSを見つつ振り返るのが楽しいという事情もありはするが……。とりあえず、時間の余裕のある時にゆっくり画像紹介していくつもり。画像引用が必要になる箇所は、実のところそれほど多くないし。
マナーとして重大なネタバレに触れる画像は使わないつもりだ――実際に画像引用ガイドラインでネタバレ配慮を求めているブランドはある――し、アダルトシーンの画像もさしあたっては掲載しない方針でいく。できるだけ序盤のシーンから引用するというのが無難かと思われる。隠蔽処理が問題になる可能性があるし、性的な画像を掲載してしまったらこのサイト自体がアダルト宣言しなければならなくなるので。SSを撮っていなかったタイトルは、体験版(があれば)を再プレイしてそこから撮ってくる方が手間が省けそう。
2011年10月14日(金)
せっかくなので、関連する議論をweb上で見つけたら随時リンクを貼っていくことにしよう。公式サイトでのシステム紹介ページに対しても積極的にリンクを貼っていくつもりだが、しかし残念ながら――そして不思議なことに――公式サイト等では演出面をまったくアピールしていないことが非常に多い。その最も極端な例がPurple softwareだが、それ以外のブランドも大同小異の状況。他方で、pajamas softやMOONSTONEは自社作品の特長を積極的にアナウンスしている(――しかしながら、MOONSTONEの「スペシャル」ページを目にする度に、セールストークめいた浮わつきと日用品広告的な安っぽさと通販番組めいた押しつけがましさ――要するに嗜好品としての情趣を欠如した寒々しさ――を感じさせられていたたまれないのだが……。実際、これと同じ感想は他のところでも見かけたことがあるので、私一人の特殊な受け取り方ではないようだ。CG枚数とHシーン数を事前明記しているWhirlpoolの流儀も、公正な情報公開ではあるのだが、プレイヤーとしてはなんとも味気なさも感じてしまう)。
2011年10月15日(土)
ひきつづき、各ページに参考画像を引用してみた。わりと良い感じで、作品ごとの画面作りの特徴が分かりやすく見えるようになったと思う。とはいえ、すでに手持ちのSSはほとんど尽きてしまったが。そもそもゲーム本編中のSSをたくさん撮っていたタイトルが少なくて、手持ちSSの中に目的に適したものがあまり無かったせいもあるし、先月に自宅の旧PCのHDDが潰れてしまってそこにインストールしてあった多くのタイトルが再プレイ困難になってしまったのも痛い。
メモ:Leaf初期(『痕』、『こみパ』)、『Piaキャロ』(服装差分)、pajamas soft(『プリっち』『プリズム・アーク』)、Liar-softのいくつか、ApRicoT(『Maple Colors』『AYAKASHI』)、FAVORITE、『アセリア』(むしろAVGパートの先進性こそが凄かった)あたりは再プレイしつつ良いSSを撮ってきたい――って、多すぎる。それから、「(長い話)」「(以下略)」演出についても略された箇所の台詞を全部書き出してみせたら実に楽しかろう。
2011年10月17日(月)
「不思議少女(The Floater);典型は図書館の司書。階層外」(wkpd:「ジョック」の項目より)。そう! これこれ! こういうことですよ! 「不思議」かどうかはともかくとして、図書館司書さんや図書部員さんたちがスクールカーストの外にいる――組み込まれ得ない――特殊な存在であるという認識は、アメリカの学生にも共有されているセンスなんだなあ。私の鈍った感受性と貧弱な言語感覚ではその核心部分を的確に言い表すことができないけど。
2011年10月18日(火)
なんかもう、このblggrはこのままどこにもその存在を連絡せず示さず察知させずひたすら深く一人で潜行しつづけるのが一番良いような気がしてきた。もとよりここは自分のために思考する場として作ったのであって、何かコミュニケーションを取るための場にすることは当初から目的には含まれていなかったのだし(――その作用を否定はしないけれど、それを目指すことも無く、それゆえそれのためになるような何かをあえてすべき動機を持っているわけではないというほどの意味合いで。来る者は拒まずの姿勢は放棄しないつもりだが)。
2011年10月19日(水)
blggrのデザインを変更してみた。目指す価値は「読むことに集中できるようにすること」。自分(及び訪問者)がテキストに専念できるように、フォントを(自分自身の感覚へと)最適化し、目障りな表示物は極力排除し――テキストそれ自体が邪魔だという感想はあろうがそれはともかく――、全体の色設定もそれに合わせてアレンジしたつもり。とりあえず白背景はなんとかしたかった。黒背景に白文字というのもありがちだけど、これだとリンク部分の色設定が難しい。ともあれ、余分なものを削り落としたおかげで、表示速度が目に見えて上がった。
……日記なんていちいち書くつもりは無かったのに、この記事もそろそろ長くなってきた。日記というほどの内容すら無く、ここに書くことはむしろただ単に言葉を弄ぶストレッチングのような行為だけど。
2011年10月20日(木) 【PCゲームの(ロープライス)シリーズもの制作】
アダルトゲームに連載作品が成立する余地はどのくらいはあるんだろうか。今念頭に置いているのは、漫画単行本やLN続刊のようなスパン及び形態のもの――つまり一つ一つはそれ自体で一応内容上完結している商品形態――のことで、こちら側での実例としては『終の館』シリーズ、『さかここ』シリーズ、『地っ球の』連作、『りとる・ピース』シリーズが挙げられる。『univ.』シリーズ、『マブラヴ』シリーズ、そして『魔法戦士』シリーズなども事実上それに類するものと捉えることができそうだ。他方で、週刊連載のような続き物のスタイルもあり得るだろう。想定されるリリース形態は、追加シナリオDL販売のような形式で、たしか『LOVE&DEAD』が試みていた筈(――私は買っていないので詳しくは知らないが)。難点も多数存在すると予想されるが、ある程度緊密なつながりを保った続きものが成立していくことは、特典化(予約特典などのために内容の一部をパージしておく手法、としか見えないタイトルもある)よりはよほど健全なことだろう。中間形態として「アペンドディスク販売」というのもあるけど、あれは完全に「主たる部分」(本編)の存在を前提にした「従たる部分」なので、好ましいやり方だとは感じられない。
2011年10月21日(金)
島香麗子氏の演技に感激している最中。北都氏を連想させる早口のつややかな語り口から、時には一色氏にも匹敵するほどの激しい振れ幅を聴かせてくれる、怖ろしい役者さん。
2011年10月24日(月)
律儀に毎日日記なんて書いてやるものか……などと自分自身に反逆してどうする(――実は、週末に旅行に行ったらホテルの部屋に好きな絵["Accord Reciproque", 1942]が飾ってあって「これはきっと何かが運命的だ!」などとつい興奮してしまい、勢いで夜更かしして翌日に差し支える羽目になったりしていた。あらためて記述してみると我がことながらその安易さとおバカぶりに呆れる)。最近は体験版をいろいろDLして(再)プレイしているところ。一作ごとに発見があるけど、アウトプットはここで吐き出さず本文の方に反映させていこう。書き足しや画像掲載はちょっとずつ進めている。
2011年10月25日(火)【ageの演出雑感】
ageって本当に演出センス無いんだなあ……と『君望LE』体験版をプレイしつつ悲しくなってきた。テキストは横にだらしなく広がりながらお節介にもセンタリング処理しているおかげで非常に読みづらい――テキスト開始位置がいつも違っていて落ち着きが無いしセンタリングのせいで行毎のテキスト幅のギャップが強調させられて実に不格好で要するに表示テキスト量コントロールというセンシビリティが完全に抜け落ちている――し、字幕風でありながら発話者表示がいちいち付いていていぎたない(せっかく発話者毎のフォント色変更を実装しているのになあ)し、カメラワークを中心とする画面演出も砂を噛むように陳腐でかつ冗長なうえにカメラを振り回しすぎてその目まぐるしさが鬱陶しさを通り越して不快なレベルだし、さらになまじ立ち絵演出を頑張っている――最初のヴァージョンから「演出強化」している――おかげで(せっかく最初のヴァージョンでは非常に多彩な立ち絵ポーズ差分を用意していたのに)立ち絵の豊かなジェスチャー表現が視界からばっさり欠落してしまって画面の狭苦しさの印象と「顔だけ芝居」の比率が増しているし……。多少好意的に述べるなら、「映像作品らしい装いは、あるいはそれを範としたスタイルの提示は、たしかに作品の特質を際立たせる武器になりうるが、しかし同時にその選択が、作品のAVGとしての完成度が評価の目に晒されるのみならず作品の映像的側面――具体的にはここでは例えばカメラワークの巧拙などの既存映像分野と比較乃至類比が容易である要素――が映像プロパーに対するのと同等の目で見られることをも帰結するという点に対する認識が十分でないか、あるいは認識していてもその求められる水準を満たす能力が無いように見受けられる」ということだ。実際、一定以上の頻度及び関心をもって映画を見慣れている人を、この演出が満足させられるかどうかはたいへん疑わしい。要するに、着想と技術はあってもセンスが磨かれていないとこうなるという例か。実際、技術と労力がすごいのは解るのだが、それだけに、それとの落差もいっそうはっきりと露呈している。ちなみに、これとまったく同じ轍を踏んでいるように見えるのがminori(――以前に『eden*』演出について述べたとおり)。
ただし――公平を期して言うと――他方で、このLE版をプレイしてみて「元々こういうことがやりたかったのに2001年当時は実現しきれなかったものが、2008年の技術ではこうして十分なかたちで実現できるようになったんだね」と感じられるところも多々あった。こうした点は、彼等のために――そして我々ユーザーのためにも、この分野全体のためにも――言祝ぐべきだろう。
また、非常に興味深い点として、画像の自由な拡縮回転が可能になったことによって、一枚の画像からいくつもの構図を切り出すことが可能になっているという事実がある。つまり、一枚のイベントCGから、キャラクター顔面部分をクローズアップ&適切な角度に傾斜させて新たなカットを再構成的に生み出したり、あるいはその画像に描かれている様々な対象をカットイン的な仕方で自由に転用していくことができる。これは、映像作品でいうカメラワークと似ていて、しかしおそらくそれとはどこか異なる性質の――AVGに特有の手触りを持たせる――現象だ。また、この手法はイベントCGだけでなく背景画像に対しても適用することができる。このような手法は、ageブランド以外の作品にも見出すことができる(例:FavoriteやEushully)が、全体としていえば2011年現在のAVGにおいてはいまだほとんど未開拓なアプローチであり、そしてしかし有望なアプローチであるように思われる。エンジンの側での表示性能向上と画像素材の側での高解像度化の双方――そしてもちろん演出意識の高まりも――が実現されたときに初めて実行可能になったものだが、その前提がひとたび充足されさえすれば、かなり低コストでたいへん豊かな可能性がそこから引き出され得るだろう。
それと、delayrun演出も十分にこなれた形でテキスト進行に馴染まされている。スクリプトの手間は莫大なものになるだろうけど、目パチ口パクと組み合わせたその時間的広がりはクリック進行の機械的制約を超えていく独自の時間的推移をすでに手中にしつつあるように感じられる。単なるポーズ変化だけでなく、視線差分まで瞬間瞬間に細かく変更指示を出しているのは唖然とするレベル。――このように、良いところもたくさんあるのですが。新たに一枚絵追加しても良さそうなところが相変わらず黒画面進行のままだったり、「CGリファイン」しているわりに背景部分の着彩の適当さが放置されていたりと、細部が「鈍感」なんだよね。上にも書いたように、テキスト改行の見苦しさに対する配慮が欠けているのも、立ち絵に歩行振り付けをしながら背景画像が動いていないせいで間の抜けた上下運動になっていたりするのも。
『痕』を出し直す度に原画もテキストも一新してしまうLeafの蛮勇と、旧版の内容に演出をどんどん積み重ねてageの厚塗り。リメイク(リファイン)一つ取ってもずいぶん違った姿勢になるものだ。
後日追記:『君いた』リメイクに関する紛糾を見ても、社内が完全な上意下達でトップの思いつき――それ自体が優れたポテンシャルを持っていたとしても――を現場に丸投げしているだけで中間レベルの品質管理メカニズムが機能していないんじゃなかろうかという疑念が……。そういう企業は不幸だよなあ。
2011年10月26日(水)
今世紀に入ってからの動きはそれなりにフォローしてきているつもりだけど、それ以前、とりわけ1997年(『ToHeart』発売)から2000年までの数年間の展開が、どうにも掴めないでいる。何が起きていたのか、実作者たちは何を目指していたのか、どのような試みが為されていたのか、そしてどのような成果を残したのか。めぼしい情報がほとんど入ってこなくて、もしかして本当に沈滞と停滞の時代だったのではないかという疑念が湧きつつある。もしかしたら、elfを語ればその時期の重要なマイルストーンは押さえられるのかもしれないが。さらにそれ以前(win95よりも昔)になると、ハード面の限界があって実際に作品をプレイすること自体が困難になっていてどうしようもない。
2011年10月27日(木)
プロフィールページとコメント受付用ページをようやく作成。サイト全体としてもコメント欄を開放した。ただし、コメント欄を設けたために個別ページを開いた時に縦に長く間延びしてしまうことになったけど、これはコメント投稿を可能にすることとの兼ね合いで甘受すべきものだろう。プロフィールに関しては、(1)名前、(2)連絡先、(3)他のサービスでの活動、の3つを書いておけば必要十分だろう。第三の項目はweb上での活動に特有の要請で、複数のサービスにまたがるアイデンティティ(つまり他のサービス上に存在する主体と同一の主体であって剽窃などの懸念は不要であるということ)を示しておく方がよい場合がある。もちろん、さしさわりが無いと考えるなら、わざわざ言わなくてもいい。
2011年10月28日(金)
今月も新作を3本購入。今年は毎月だいたいこのペース。うち一本がフルプライスのつもりでレジに持って行ったら中価格でちょっと得した気分になったけど、そういえば最近は一本の価格はあまり気にしなくなってきているかも。むしろ購入するかどうかで基準になるのは「自分が今後いつかその作品をプレイしたくなりそうかどうか」。
11月は『高天』があるし『女将と仲居~』パッケ版(また名言系テキストか?)も出るしSH sealのRPG(学園ダンジョンというと『アルフレッド』とか『女神さま☆にお願いっ!!』とかもあった。飯野氏のseal出演が増えているのは嬉しいかぎり)もあるし、12月はとにかく『万華鏡』が気になるしそういえばe.go!/でぼタイトルはずいぶん御無沙汰していたし(『花咲く乙女~』、まだ予約は間に合う筈。合成は好きじゃないけど都市計画は好きなので久々に買うかも。SDキャラも可愛いし)Fizz新作もあるし(ただし買うかは分からないけど。またリビングストンの一族が出るのね)、この調子で毎月数本ずつくらい買っていく生活が今後も続くのかなあ。
2011年10月30日(日)
作業メモ:画像引用は、ひとまず大事なところは済んだ。あとは、LW、ApRicoT、動画演出、システム演出あたりのSSを埋めていけば大枠はほぼ完了する。ういんどみるの機敏な立ち絵演出や立ち絵アニメーションなどの項目は静止画SSを掲載しても意味が無いし、ましてや音響演出が表せようはずも無い。pajamas softの様々な演出も、いちいち紹介していくときりが無いし。裏庭の暫定テキストとはいえ、画像解説部分の記述も散漫な羅列に終わらせるつもりは無く、なんらかの筋道と展望を示せるようにしたいので、ありあわせの貼り付けだけでお茶を濁すことはしない。
0 件のコメント:
コメントを投稿