(4)動画使用演出の諸相
動画素材の利用形態も様々である。エフェクト表現の一種として使用される場合もあれば、カットイン的に使用されて画面に動的抑揚をもたらす場合もある。時にはAVGの中で特定の具体的な「動き」を描写するための手段として、また時には動画映像特有のリアリティに訴えるために、動画が使用される場合もある。画像及び音響の特定のシークエンスを制作者が意図したとおりのかたちで(つまり完全に固定されたタイミングで)表示するために、動画の形態を採る場合もあるだろう。変身シーンのような場合には、バンク的に繰り返し使用されることもある。さらには、AVGのフォーマットを離れてフルアニメーション表現への移行を目指すものもある(――その場合には、既存のAVGとの本質的共通性は、選択肢による進行分岐という一点のみとなる)。
アニメーション素材それ自体の形態乃至品質も、目的及び対象に応じて様々なものが採用されうる。戯画的なカットインとして使用する場合には、GIFアニメ相当の簡素なものの方が、かえって視覚的抑揚として効果的であろう。他方で人体動作等をなめらかに表現するためには、セルアニメーション並のものが必要になる。人工物表現に際しては、3D制作によるのが効率的かつ効果的であろう。変身シーン等に関しては、ムービー素材によらずとも、画像差分切り替えとエフェクト付与によって表現することも十分可能である。先述のとおり、動画編集ソフトウェアによる(擬似)動画化処理も容易になっている。
【追記コメント】
上の本文で念頭に置いていたのは、小窓カットインによるコミカルなgifアニメ、SDデザインによる比較的短い動画アニメーション(殴打アクションやバイク走行)、魔法少女や魔法戦士の変身プロセスアニメーション(様々なエフェクトやカメラワークを加えた2D画像のバンク使用)、兵器や乗物の動きを表す3Dモデリング動画、劇的な演説シーンでの動画進行など。
インストールフォルダの中にベタ置きされているGIFアニメをここに再掲することは、引用として認められるのだろうか、それとも複製に当たってしまうのだろうか。論理的には後者の判断が帰結されることになりそうだが、そうすると「元(オリジナル)の動画の形態に対して忠実なものが不正であり、他方で(例えばゲーム画面を動画キャプチャしたような)元データのアイデンティティを害なったものの方が許容される」という、いささかわりきれないことになる。まぁ、これは引用手続の「正しさ」の評価と実体上の「正しさ」の評価とが交錯しているから一見転倒しているように見えるだけであって、本当に矛盾を来しているわけではないが。
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