2011年9月25日日曜日

演出論的覚書:Ⅲ章1節3款:立ち絵演出の普及

  (3)立ち絵演出の普及

  ぱれっと作品はこの方向性での代表例であるが、しかしこれ以外にもこの技法を活用しているブランドは相当数に上っており、もはや網羅的に挙げることが不可能ほどである。事情の一つとしては、既存の立ち絵素材に対して定型的なスクリプトコマンドを与えていけば良いという敷居の低さもあるだろう(――新たな画像素材を作り起こすコストが掛からないし、スクリプトをあらかじめ規格化しておけば制作過程が効率化できる)。また、どのような場面でも使用できるという汎用性の高さもあり、とりわけ日常シーンのような動きの乏しくなりがちな場面に視覚的抑揚を与えられるというメリットは大きいだろう。それに対して、エフェクト強化(次節で検討する)は使用場面が限定される場合がある(バトルシーンや魔法発動描写など)し、また動画挿入アプローチ(第3節を参照)はコストが嵩むうえ転用も困難だろう。




  【追記コメント】

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