2011年10月1日土曜日

演出論的覚書:Ⅳ章4節1款:AVGの基本構造に関わる演出

  《第4節:AVGの基本構造に関わる演出》

  以上のほか、現代のコンピュータ用AVGの構造及び機能に関わる演出が、様々なかたちで為されている。以下、本節においては、AVGを構成している諸要素を適宜分類しつつ、そこで行われている基礎的な演出手法及び主要な演出技巧を、実例に即して挙げていく。



  (1)グラフィクス面では、視覚芸術一般の表現技巧が様々に援用され得る。AVGのグラフィック素材を大別すると、立ち絵画像、背景画像、イベントCG(一枚絵)、カットイン画像、エフェクト素材、動画の六種類がある。カットイン及びエフェクトについてはすでに1章1節及び3章2節で言及し、動画については3章3節で概観した。

  AVGの画面は、静止画像素材の組み合わせによって構成されるのが通例である。しかし、さまざまな手段によって、画面に動きを与えあるいは視覚表現を拡充していくことができる。すなわち:第一に、差分切り替えによる変化(――立ち絵表情変化やポージング変化など)。第二に、背景画像スクロール、立ち絵アクション、画面クエイクなどの動的操作。第三に、MPEGデータ等のムービー素材の使用。そして最後に、3D化。

  画像の表示形態、着彩様式の選択、色調コントロールも、視覚的描写のためにきわめて重要である。例えばセピア色表示(回想シーンなど)、単色(モノクロ)表示、色反転表示(衝撃的な瞬間など)、画面上下の黒枠付与(回想シーンや内心描写)、ボカシ効果(回想シーンなど)、背景の白色化や黒色化(内心描写など)、画風変化(コメディ的カットインや伝聞シーン)、等々。様々なCG技術が、AVG表現においても活用されている(cf. 3節2款)。



  【追記コメント】

  差分芸についても一節を設けていろいろ紹介してみたい。例えば『AYAME』の差分変化、『THE GOD OF DEATH』の入浴シーン差分変化、『無限廻廊』のループ差分などが個人的に印象深い。ただし、あまりにもショッキング&グロテスクなのでここで画像を貼って紹介することはまかり間違ってもできない(というかやってはいけない)が。

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