クリックすると画面が表計算ソフト風画像などに切り替わるボタン(――「ボスが来たキー」「パニック画面」などと俗称される)。CatSystem2などが実装している最小化時メモ帳偽装機能も同じ発想に立っている(註37)。
タイトル画面等で特定の文字列をキーボード入力するとゲーム内でなんらかの変化が生じる隠しコマンド。古くはD.O.作品において、またあるいはHOOK作品、すたじお緑茶作品、キャラメルBOX作品において。
本編部分だけでなく、周辺部分の作り込みも作品の印象に関わる。例えば:(1)本編外におまけミニゲームを搭載しているもの。Cyc作品がしばしば設けているカードゲーム(例:『MinDeaD BlooD』[Black Cyc、2004年])、『Dear My Friend』(light、2004年)の「おまけパズル」(イベントCGを用いた15ゲーム)、ソフトハウスキャラ作品のおまけクイズなど。(2)インストール中に一定の視覚演出オブジェクトを表示しておくタイトルがある。最も先駆的だったのはF&Cであろうか。キャラメルBOXやpajamas softなどにもこの種のインストール時エフェクトはある。(3)ユーザーが手に取るパッケージの造形にも、作品の趣向は示されうる。パッケージ内部のデザインに至るまで作品コンセプトに沿うように徹底的に作り込むういんどみると、ゲーム内に登場する道具(ペンダントや剣)の金属製ミニチュアモデルを同梱するpajamas softは、その代表例である(註38)。
註37) これらのゲームアプリケーション隠蔽機能に関する浩瀚な実例紹介として、ウェブサイト「エロゲについてのあれこれ」内の記事「二次元妹に萌えているところをリアル妹に見られた大泉くんのばあい」を参照。 註38) 特徴的な同梱物を紹介している記事として、ブログ「ここにいないのは」の記事「エロゲの特典/付録について」がある。 |
【追記コメント】
『とっぱら』 (c)2008 キャラメルBOX
インストール中画面。インストール作業が進行するにつれてキャラクターが順次登場していく。そして、登場したキャラクターたちは、上下動やまばたきなどの簡素なアニメーションを行う。
風変わりな特典も、挙げていけばきりが無いが、私は幸か不幸か特典収集には興味が無かったので、具体例はあまり知らないし実際にたいしたものも所持していない。店舗別特典も増えてきたし。紹介記事として、上記のブログ「ここにいないのは」の記事「エロゲの特典/付録について」がある。これらの他に私が知っている風変わりなおまけアイテムといえば、『とびっきりRUIN』(Escu:de、2000年)の勾玉(ストラップ)、『蠅声の王』のダイス、『桃華月憚』(ROOT、2007年)豪華版の卓上時計、『ラブ・バインド』(13cc、2010年)のアダルトグッズあたりか。
遊戯的な機能といえば、Black cyc作品には、お風呂シーンなどの一枚絵で「マウスカーソルを動かすと湯気を拭き消せる」というのがある(――『夢幻廻廊2』、そして『EXTRAVAGANZA』にもあった憶えが)。ちなみに、CG回想には湯気の無いかたちで登録されるので、これは純然たるその場の遊戯的機能でしかない。なお、いったん湯気を消したあとでその画面を放置すると、また次第に湯気が画面を覆ってくる。ユーザーがエフェクト表示に介入できるという点で、非常に珍しいメカニズムと言える。
0 件のコメント:
コメントを投稿