2011年10月1日土曜日

演出論的覚書:Ⅳ章4節2款γ:効果音(SE)

  (γ)効果音(SE)は、現在では一つの作品に200種以上準備されている場合すらある。

  効果音は、AVGにおいても重要な描写手段の一つである。例えば、人物立ち絵を消去して同時に「ドスン」とSEを出せばそのキャラクターが転倒したことを表現できるし、立ち絵の表示/消去と連動して「カツカツカツ」という靴音SEを出力すればそのキャラクターの登場/退場を知らせることができる。また例えば、開栓音(「プシュッ」)と嚥下音(「ゴクゴク」)によって、主人公が缶ドリンクを飲む一連の動作が、テキストも画像も一切使わずに描写される(――実例については3章2節7款を参照)。

  BGMのように継続出力されるアンビエントな効果音(環境効果音)の手法も、近年多くの作品が導入するようになっている。市中雑踏のざわめき、教室内の談笑、秋の虫の音、雨天時の静かな雨音などのSEは、その状況の臨場感を増すものである(cf. 3章2節2款の註9)。早期の、かつきわめて優れた実例として、『果てしなく青い、この空の下で…。』がある。



  【追記コメント】
  仄聞するところでは、とりわけ『Fate/sn』が大量(400個以上)の効果音を用いているらしい。

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