2011年10月1日土曜日

演出論的覚書:Ⅳ章4節5款δ:コンフィグ

  (δ)コンフィグ等。コンフィグの充実は、プレイアビリティに深く関わる。近年では、すぐれたゲームエンジンの普及及び改良の過程で、コンフィグ機能も劇的に拡張されている。

  演出に関連する機能として、装飾的なパラメータ表示や遊戯的なコンフィグ項目を持つ作品もある。例えば『Piaキャロット』シリーズの制服選択システム、G.J?作品のバストサイズ変更機能、『おめがねティーチャー』すたじおみりす、2003年)の眼鏡デザイン選択システム、『夏めろ』AcasiaSoft、2007年)の各種コンフィグ(靴下ON/OFF、仮性ON/OFF)、『マーブル★ブルマ』Noesis、2008年)のブルマ色選択など、様々なものがある。『あえかなる世界の終わりに』キャラメルBOX、2005年)には、立ち絵が珍奇なデフォルメ画像になるモードがある。

  他方で実用志向のシステムとしては、例えばBISHOP作品には、「ぬぎぬぎシステム」、すなわちキャラクター立ち絵を下着ヴァージョンまたは全裸ヴァージョンで表示させるコンフィグがある。同種の機能は『お嬢様組曲』Symphony、2005年)の「乙女の恥じらい」システムにも含まれている(――このシステムには、ベッドシーンでのヒロインの反応の激しさを選択できるコンフィグも含まれている)。『MARIONETTE』Carriere、2003年)及び『MARIONETTE ZERO』TAIL WIND、2008年)には、アダルトシーンで全裸にするか着衣状態にするかを選択できる「半脱ぎシステム」がある。『へんし~ん2』May-Be SOFT、2005年)には「淫語増量システム」があり、ON/OFFを切り替えることによってテキストが部分的に変化する。眼鏡ON/OFF機能を設けている作品もいくつか存在する。これらは、先述のシステムサポート演出(cf. 3章1節2款)やSLGパート上の演出(cf. 4章2節2款)にも近い性質を持っており、また場合によってはオプショナルな表現抑制機能(cf. 4章5節2款)をも持ち得る。



  【追記コメント】
 
『夏めろ』 (c)2007 Acaciasoft

  非常に有名なコンフィグである。プレイ中に任意に変更することができる。











  個々の事例は面白いが、ここで書かなくてもという気も。
  上記の例と同じくらいおばかなシステムとして、「真雪の眼鏡不透明度」(Mayuki's glasses)コンフィグ(『コミュ』)があるが……画像引用するには及ぶまい。

  未整理メモ:眼鏡ON/OFF機能が搭載されている(らしい)作品。『キャッスルファンタジア ~エレンシア戦記~』Studio e.go!、2000年 ※ただし回想モードのみ。2003年発売の「リニューアル」版で確認)、『DEEP2』selen、2002年)、『詩乃先生の誘惑授業』xuse、2003年)、『つよきす』きゃんでぃそふと、2005年。公式サイトによれば、椰子なごみが「第2部で眼鏡ON・OFF可能」とのこと)、『ゆ・め・く・み!』Meteor、2006年)、『あなたの知らない看護婦』G.J?、2007年)、『Stellar☆Theater』Rosebleu、2009年)、『ひしょ×ひしょ』ゆーかりそふと、2009年)。この機能には、「OFFにしてしまえる」と否定的にとるかそれとも「着用させることができる」と肯定的にみるかという問題もある。

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